整理というと、”物をどこかに片付けて見た目を整える”と捉えていませんか?
しかし、それは間違いです。
見た目を整えるのは「整頓」です。
整理とは、要不要を見極め、捨てたり買ったりすることです。
トヨタ社で有名な5S活動。
職場や工場における無駄をなくし、利益を生み出し続ける会社の基盤として取り上げられていますが、その実、自宅に取り入れれば家事や生活空間の改善に役立ち、自宅という体力回復や自己生産性を高める空間をより効果的に使えるようになります。
この記事の目次
5S活動は整理・整頓・清掃・清潔・躾。
人は物に囲まれて生きている
あなたは人が1日のうちにどのくらいの時間、物を探しているかを知っていますか?
1日あたり約15分ほどの時間、物を探しています。
15分なんて大したことないと思いましたか?
私は15分あれば家計簿がつけられます。
15分あれば朝の5S活動ルーティンが終わります。
15分あればYouTubeのエクササイズ動画を1本実践できます。
こうやってブログ記事の冒頭くらいは書けます。
15分はあくまで平均値です。物の多さに比例してこの時間も増えていきます。
1日15分であっても、年間では54時間もの時間に相当します。
54時間は大ごとです。
2日以上、物を探していることになるのですから。
今、あなたの所有物を見てみましょう。
どのくらいのものが目につきましたか?
人は、物がたくさん視界に入っていると、無意識のうちに物に意識を奪われ、生産性が下がります。
(一部、思考するような場合、逆にものが溢れている方がいい案が出る可能性もあるらしいですが・・・)
過去、ごちゃごちゃした部屋で過ごしていた私はダラダラとソファーに座りながら、こんなことを考えていました。
- あ、埃。掃除しないとなぁ
- 出しっぱなしで邪魔だけどしまう場所がないんだよなぁ
- 冷蔵庫で野菜が腐っちゃったよ(トホホ・・・)
そして漠然と、私ってダメなやつだなぁと毎回自分にレッテルを貼って不貞腐れては、そのままダラダラと過ごしていました。
要不要の判断基準
重い腰を上げて、ようやく整理に取り掛かると、その作業を止めようとするある種の壁のようなものに多くぶち当たります。
- まだ綺麗だから
- せっかく買ったから
- 思い出だから
- いつか使うかもしれないから
- 廃棄方法がわからないから
- 大きな物は捨てにくいから
軽く思い返すだけでもこれだけの壁が出てきます。
整理の話を知人にする際、特に多くの声として聞いたのは「思い出だから」です。
しかし、思い返すのに現物が必要でしょうか?
もう着られない服を着ることはありません。
大切なのは”思い出”であり”服そのもの”ではありませんよね?
私は整理をする際、自問自答して、物に感謝して、教訓を得てから手放すという手順を繰り返しました。
- 物自体に価値があるのか
- 物から得られる情報に価値があるのか
- 物自体に、自身を幸せ(ポジティブ)に向かわせる効果があるのか
確かに過去の自分の時間や労力を消費して得たお金で手に入れた物です。
捨てるという行為は気の引けるものでしょう。
ですが今、その物から負の感情を受けているのであれば、今こそ見直す時です。
物の捨て方・買い方
5S活動を始めてから、私に起きた大きな変化の一つに、モノの買い方と捨て方があります。
私は一時期の感情に任せて、理美容品を買っては色々試してみたり、画材を買ってみたり、それでいて、物を整理するんだ(実際は整頓)と言いながら収納ケースを買ったりしていました。
しかし、整理を始めると、思った以上に必要ない物が多く見つかりました。
しかも、当時は必要だと思って買ってしまった物たちの廃棄方法が、実は面倒臭いことこの上なかったのです。
住んでいる地域によって大型家具の廃棄方法は異なります。
例えば、私の地域では洋服を片付けるプラケースの廃棄に200円券×2枚が必要です。
手放す時にお金がかかるようなものを購入していたのです。
お金だけではありません。
回収を依頼するためにインターネットで予約を行い、その時間に合わせて指定の場所まで持って行く必要があります。
自分の時間が、廃棄スケジュールによって拘束されるのです。
この経験を経たことで、私は家具はもちろん日用品や食材に至るまで、物を買う時には「捨てる時(手放す時)までのライフサイクル」を考えるようになりました。
- 今持っている同じようなもの(例えば使い途中の化粧品など)を廃棄してまで欲しいのか
- 捨て方(手放し方)まで明確になっているか
食品ならば、下記を考えています。
- いつ使う予定なのか
- 今日買う必要があるのか
- 消費予定日までちゃんと保存できる方法を知っているのか
- その食品は誰を幸せにするのか
最後の「誰を幸せにするのか」については、私の場合、おやつを買う時に有効でした。
主人と二人暮らしの私ですが、私一人が幸せになるようなおやつの衝動買いが多かったので、この考え方を取り入れてから、おやつの出費が最低でも半分は減りました。
一瞬の購買意欲を我慢するというストレスはあります。
ですが、結局のところ、食べた後にいつも後悔していたこともあり、単純に「太るから買わない」「無駄な出費になるから買わない」と我慢するよりも、「誰をどのくらい幸せにするのか」と自問自答する方が圧倒的にストレスがかかりませんでした。
ダイエットにもなるし、無駄な出費が減って貯金も増えて万々歳の結果です。
せっかくお金を出して買うのですから、より多くの人や長時間の幸せにつながることを意識していくことで、買い物による後悔の頻度はかなり減りました。
物を手に入れた幸福は右肩下がり
まとめ
物を買う時、いつも何気なく購入を決めてしまっていました。
ですが、その購入に掛かったお金は、過去に人生の時間を消費して稼いだものであることを忘れてはいけません。
「整理」は要不要を見極める力を育てます。
そして、整理は5S活動の一番の基礎部分になると考えています。
5S活動を始めてから、軸がブレにくくなったと実感しています。
その証拠に周囲の人たちが「しっかりしてきた」「責任感があるように感じてきた」と口を揃えて言ってくれるようになりました。(それまでどう思われていたんでしょうね。苦笑)
5S活動によって「本当に大切なもの」を明確にできたことで、仕事も趣味も資産運用やダイエットも、毎日を納得しながら過ごせています。
夫婦仲がさらに良くなったと思いますし、ポジティブな話題も増えました。
ダメダメだと思っていた私を変えた「5S活動」。
気になる方は、ぜひ一度学んでみてくださいね。